The Nutcracker / New National Theatre Ballet, Tokyo

くるみ割り人形 THE NUTCRACKER 新国立劇場バレエ団オフィシャルDVD BOOKS (バレエ名作物語 Vol. 4)

改訂振付:牧阿佐美
出演:小野絢子、山本隆之、伊東真央
収録:2009年12月20日 新国立劇場オペラ劇場 / 本編105分 + 特典 約30分

画像リンク先:amazon.co.jp - DVD BOOK

新国立劇場バレエの新制作「くるみ割り人形」、その初日を収めたDVD BOOKがあっという間にリリースされました。ハイビジョンで撮影された映像は美しく、今回の特典も充実していて、新国ファンは幸せよね、と感謝せずにはいられません。今後もリリースが続きますように!


商品情報

国内|DVD BOOK(世界文化社

特典映像:メイキング「新制作・くるみ割り人形」/こどものためのバレエ劇場「しらゆき姫」ハイライト編+インタビュー(主演:さいとう美帆)

クレジット

振付
マリウス・プティパ Marius Petipa / レフ・イワーノフ Lev Ivanov
演出・改訂振付
牧阿佐美
音楽
ピョートル・チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky
照明
立田雄士
装置・衣裳
オラフ・ツォンベック Olaf Zombeck
舞台監督
大澤裕
指揮
大井剛史
管弦楽
東京フィルハーモニー交響楽団
合唱
東京少年少女合唱隊

キャスト

金平糖の精
小野絢子
王子
山本隆之
クララ
伊東真央
雪の女王
西山裕子
ドロッセルマイヤー
冨川祐樹
シュタルバウム
逸見智彦
シュタルバウム夫人
楠元郁子
フリッツ
八幡顕光
ハレーキン
江本拓
コロンビーヌ
高橋有里
トロル
福田圭吾
ねずみの王様
市川透
くるみ割り人形
福田圭吾

特典映像「しらゆき姫」

原作:グリム童話
音楽:ヨハン・シュトラウス2世 Johann Strauss II
監修:牧阿佐美
振付:小倉佐知子
音楽構成:福田一雄
構成・演出:三輪えり花
美術・衣装:石井みつる
照明:杉浦弘行
2009年4月4日 新国立劇場 中劇場

しらゆき姫:さいとう美帆
王子レックス:江本拓
お妃:厚木三杏
森の精たち:清水裕三郎 / 加地暢文 / 田中俊太朗 / 原健太 / 野崎哲也 / 髙橋一輝 / 宝満直也

感想

この新制作「くるみ割り人形」、私は見る事ができなかったので映像化はとても嬉しかったです。しかも一番見たかった初日キャスト。それをスピード発売してくれた世界文化社と新国立劇場の力の入り具合には感嘆&感謝です。

実際にご覧になった方々の評判は様々でしたのでけっこう身構えて見始めたのですが、あの美しい序曲がそれをすーっと流してくれました。チャイコフスキーの音楽のこの圧倒的な美しさ!気がつくと笑顔で、ダンサーたちの踊りをむさぼり見ていました。

正直、突っ込みどころはいろいろあるし、何度か苦笑したりもしました。まだまだブラッシュアップが必要でしょう。古典の改訂にはストーリー上の必然を求めたいのですが、今回のプロダクションはプロローグとエピローグの仕掛けに納得させられるだけのものが用意されていなくて残念でした。クリスマス・イヴにサンタさんが見せてくれた夢なのよね、たぶん...

でもねー。
衣装スキーとしては、仕掛けとか必然とか、もうどうでもいいかな、と言いたくなるくらいに衣装が素敵で、それを堪能できたのが心から幸せでした。この感想を書くまでにかなりの回数繰り返して見ているのですが、気がつくと衣装ばかり見てしまって、慌ててチャプター戻して再生しなおす事多数。

新国の新しいプロダクションの衣装はいつでも、デザイン画のイメージよりずーっと素敵に仕上がるので毎回ワクワクするのですが、今回も予想以上。金平糖の精も花ワルも雪の精も、男性陣の衣装の飾りまでが本当に優美でゴージャス。雪の精や花ワルのチュチュに施された飾りの繊細な美しさったら!それがダンサーの動きでふわふわする所なんて、見てるだけで幸せすぎて泣けてきます。工房いーちの繊細な仕事ぶりに最敬礼。そして、それを堪能させてくれたハイビジョン撮影の映像にも感謝です。でも、スペインカップルとアラブ男子の衣装はなぜあんなに地味に見えるデザインなんだろう...。

物語の中心人物であるクララの伊東真央さんは、あの魅力的な笑顔で観客を引き込みます。踊りも危なげなくラインもキレイだったし、初演の初日に大役の任を十分に果たされていましたねー。うるうる。他日のクララとも見比べてみたかったです。小野絢子さんの金平糖は可憐な中にも凛としたところがあって、美の象徴という感じでした。クララと金平糖の精を別の人が踊る時の金平糖はなかなか難しい役どころだと思いますが、若くしてお菓子の国の頂点に立つ気の張りみたいなのも好ましく。包容力はこれから年齢と経験を重ねる事で更に増えていくでしょうね。彼女の踊りはひたすらツボなので、今回も堪能しました。

山本さんの王子はこの若い2人と並ぶとぐっと落ち着いた雰囲気。登場シーンから「お兄様の安心感」を身にまとっていらしたので、そこはもう少しキラキラ成分を〜とファンゆえに思ってしまいましたよ。でも、この版の王子はクララとも雪の精とも金平糖の精とも踊るけどキャバリエ的な扱いで王子のドラマはないから仕方ないのかなー。

ドロッセルマイヤーの冨川さんはすごい貫禄メイク。クララを見ても相好を崩す事がないのがちょっと淋しいのだけど、そういう演出なのかなぁ。パーティシーンでは高橋有里さんのコロンビーヌが可愛すぎ。反則だわー。それと、こんなところにニヤニヤするのは私くらいでしょーが招待客の高木裕次の老けメイクが期待通りのダンディさでございましたよ。

雪の国のシーンは一番好き!西山裕子さんの踊りは素敵だし、チュチュがえもいわれぬ美しさだし、美術も詩的でしたよね。そして踊っているのが新国の女性コール・ドな訳ですから、本当に美しかったです。スノードームの中に閉じ込めて部屋に飾りたい。

2幕のディヴェルティスマンはトレパックに尽きます。もちろんそれまでのスペイン/アラブ/中国もそれぞれによいのだけど、この3人のトレパックには顔がほころぶわー。バリノフくんの見得切り大好き。福田さんも八幡さんも素晴らしいし、何よりこの3人で踊る相乗効果が凄いのよ。そしてその後の葦笛の踊り。何故こんな凄い難しそうでハードな振付が?でもベテランでキュートでラインのキレイなお三方だから、可憐な見所になっていました。長田さんは新国に前からいたみたいに馴染んでいますね。移籍は大正解だわー。

ということでフィナーレまで堪能しました。夢の国のフィナーレはものすごい大人数が舞台にいてゴージャスでしたね。


特典映像は今回も見応えがありました。リハーサル映像で今シーズンから芸術監督助手をなさっている陳秀介さんのお仕事ぶりが見られてよかったし、より近いところから雪の精の衣装が見られたのも嬉しかったです。インタビューも、ダンサーたちの素がわかるだけでなく、仲間内の雰囲気のよさが伝わるのがいいですよねー。冨川ドロッセルマイヤーのお話も聞いてみたかったな。

それと、今回の美術を担当したツォンベックさんの熱いインタビューには圧倒される程でしたよ。くるみ割り人形という存在が持つ意義というのがよくわかりました。

もう1つのお楽しみだった「しらゆき姫」、ハイライトという事で短いものでしたが「こういう作品だったのねー」と分かって嬉しかったです。さいとうさんが映像でお話されてるのを見たのは今回が初めてだったかな。新国で主演をはる位のダンサーさんたちはみんなそうだけど、踊りだけでなく言葉でも伝え方が上手。元々好きなダンサーさんだけど更に株が上がりました。研修所時代の映像まであって大サービスよね。

「本体」の本の内容はこんな感じ。

  • あらすじ
  • プロダクション・ノート
  • DVD出演者一覧
  • 新制作『くるみ割り人形』を語る音楽性の試金石のような作品(牧阿佐美)
  • 原作者ホフマンの世界観くるみ割り人形とは何か(オラフ・ツォンベック)
  • 主演ダンサー・プロフィール
  • くるみ割り人形10の扉
  • 『くるみ割り人形』初演から2009年新国版へ—バレエ史をひもとく(芳賀直子)
  • 明日の舞台へ。新国立劇場バレエ研修所(豊川美恵子)
  • こどものためのバレエ劇場 しらゆき姫
  • 新国立劇場バレエ団ダンサー一覧
  • バレエ公演レビュー&プレビュー
  • DVDチャプター・プログラム
vc

この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え