Don Quixote / New National Theatre Ballet, Tokyo
振付:アレクセイ・ファジェーチェフ
主演:スヴェトラーナ・ザハロワ/アンドレイ・ウヴァーロフ
収録:2009年10月12,14日 新国立劇場オペラパレス / 120分 + 特典28分
画像リンク先:amazon.co.jp - DVD BOOK
新国立劇場のDVD Book 第3弾はザハロワとウヴァーロフの「ドン・キホーテ」。主演の2人の素晴らしい踊りに加えて、ハイビジョン16:9のおかげで隅々まで小芝居を堪能させていただきました。新国好きにはたまりません。
商品情報
特典映像新国立劇場バレエ団 メイキング『ドン・キホーテ』 約28分
ドキュメント 舞台稽古
ザハロワ&ウヴァーロフ 特別インタビュー
バックステージ・ツアーby本島美和 マイレン・トレウバエフ 八幡顕光
- 国内|DVD BOOK(世界文化社:バレエ名作物語Nol.3) Release: 2010/01/19
クレジット
- 原振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
アレクサンドル・ゴールスキー Alexander Gorsky- 改訂振付
- アレクセイ・ファジェーチェフ Alexei Fadeyechev
- 音楽
- ルードヴィヒ・ミンクス Ludwig Minkus
- 舞台美術・衣装
- ヴャチェスラフ・オークネフ Vyatcheslav Okunev
- 照明
- 梶孝三
- 指揮
- アレクセイ・バクラン Alexei Baklan
- 演奏
- 東京フィルハーモニー交響楽団
キャスト
- キトリ
- スヴェトラーナ・ザハロワ Svetlana Zakharova
- バジル
- アンドレイ・ウヴァーロフ Andrey Uvarov
- ドン・キホーテ
- 長瀬信夫
- サンチョ・パンサ
- 吉本泰久
- 街の踊り子
- 西川貴子
- エスパーダ
- 貝川鐵夫
- キトリの友達・ジュアニッタ
- 寺島まゆみ
- キトリの友達・ピッキリア
- 西山裕子
- ガマーシュ
- 澤田展生
- メルセデス
- 湯川麻美子
- 二人のジプシー
- 八幡顕光 / 福田圭吾
- 森の女王
- 厚木三杏
- キューピッド
- 高橋有里
- ボレロ
- 楠本郁子 / 貝川鐵夫
- 第1ヴァリエーション
- 寺島ひろみ
- 第2ヴァリエーション
- さいとう美帆
感想
2009年10月公演が3ヶ月後にはもうDVDBookとして店頭に並ぶという素晴らしさ(といっても、私の場合は予約購入しても実際に鑑賞するまで何ヶ月もかかってしまって残念)。今回からは映像も16:9でハイビジョン撮影となって、とてもキレイです。ザハロワとウヴァーロフをゲストに迎えた新国の「ドン・キホーテ」は以前NHKの撮影で放映されてもいますが、舞台はその度ごとに違うものですからねー。キャストも変わってきますし...。特に私は今回の舞台を見ていないので、とても楽しく見る事ができました。
ザハロワは艶やかなキトリ。テンションもかなり高く、表情豊か。もちろん踊りは素晴らしくてたっぷり楽しみました。私は今回はドルシネアよりキトリの方が好きだったかも。ドルシネアも美しかったけど、キトリの高テンションがこちらにも波及していて、陽気な姫でした。
ウヴァーロフのバジルももちろんダイナミックで素敵でした。彼のバジルは見ているだけで心が太陽光で満たされる。ザハロワとのパートナーシップもより磨きがかかっていると感じました。
吉本さんがサンチョ・パンサというキャスティングを知った時は、いくら彼の演技力が素晴らしいからといって何てもったいない!と思っていたのですが、1幕の布のトランポリンのところで空中でくるんと一回転したサンチョは初めて見た気がします(最後には2回転してた!)。また、キホーテ/キトリ/ジュアニッタ/ピッキリア/ガマーシュ/バジルが並んで踊っている脇で、キトリのお母さん(堀岡さん)と手を取って踊るサンチョ、なんて姿もカメラが抜いていましたよ。
この演目は脇の小芝居まで見始めると目がいくつあっても足りませんから、映像で何度も再生して楽しめるのは嬉しいです。
寺島まゆみさんと西山裕子さんのキトリの友達ペアも軽々と可愛らしかったし、高橋有里さんのキューピッドの安定感と言ったら!3幕第1ヴァリの寺島ひろみさんの高々としたジュテも印象に残りました。
貝川さんのエスパーダは本人比では善戦だったと思うけど、ボレロはちょっと緩かったかなぁ。それにしても、貝川エスパーダ、1幕では西川さんの街の踊り子、居酒屋では湯川メルセデスと楠本さんのギターの女...どう考えても姐さんたちの方が上手だろう、と(笑)。
澤田さんはキャラクテールの役も多くなってきていますが、ガマーシュはもう少し突き抜けてくれてOKですよ。彼はほっそりしているから、大げさなくらいでいいような。
新鮮だったのはトレアドールたちですね。芳賀さん、古川さん、輪島さんが入って、ぐっと厚みが出ていました。ジプシーの若い衆(八幡さん/福田さん)も、エネルギーの固まりで素晴らしかったし。
そして、やっぱり群舞が最高でした。1幕のセギディーリャ、3幕のファンダンゴ、大好きです。
特典映像も今回も楽しかったです。舞台稽古はザハロワとウヴァーロフをカメラが追っているのですが、その奥で誰と誰が打ち合わせしてるとか、そういうところも興味津々。あんな風にカーテンコールまでリハするんですね(笑)。八幡/トレウバエフ/本島組のバックステージ・ツアーもそれぞれのキャラが出て楽しかったです。
さて、書籍の内容は以下の通りです。
「ドン・キホーテ」
あらすじ(小学生高学年向けにルビつき)
特別ロング・インタビュー
主演ザハロワ&ウヴァーロフが語る『ドン・キホーテ・・・踊る歓び』
新国立劇場バレエ団クローズアップ・ダンサー
『ドン・キホーテ』各役を語る
~湯川真美子・厚木三杏・高橋有里・西山裕子・西川貴子・寺島ひとみ ほか
小島章司氏(フラメンコダンサー)に聞く「プティパのバレエとスペイン舞踊の世界」
バレエ鑑賞のポイント『ドン・キホーテ』10の扉 文:長野由紀(舞踊評論家)
新国立劇場バレエ団NEWS~ボリショイ公演『椿姫』リポート
カンパニープロフィール(ダンサー紹介)、作品紹介レビュー&プレビュー
DVDチャプター表ほか
この記事の更新履歴
- 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え