The Nutcracker / San Francisco Ballet
振付:ヘルギ・トマソン
出演:Vanessa Zahorian, Davit Karapetyan, Yuan Yuan Tan ほか
収録:2007年12月19/20日 サンフランシスコ ウォー・メモリアル・オペラハウス / 132分(本編94分+特典映像38分)
画像リンク先:amazon.co.jp - DVD
サンフランシスコ・バレエの「くるみ割り人形」は伝統的にくまさんが登場するそう。創立75周年を記念して新制作されたこのヘルギ・トマソン版も、もちろん例外ではありません。
(2009.09.28追記)2009年10月にBlu-rayがOpus Arteから、11月に国内盤が発売になります。
商品情報
- 国内|DVD(コロムビアミュージックエンタテインメント:TDBA-5104)2009/11/18
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特典映像:Illustrated synopsis & cast gallery. / Interviews with Helgi Tomasson, Michael Yeargan and Martin Pakledinaz. / Documentary: 1915 World's Fair.
クレジット
振付:ヘルギ・トマソン Helgi Tomasson
音楽:P.I. チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky
原作:E.T.A. ホフマン
台本:マリウス・プティパ Marius Petipa
美術:マイケル・イアガン Michael Yeargan
衣装:マーティン・パクルディナズ Martin Pakledinaz
照明:ジェイムス.F.インガルス James F. Ingalls
指揮:マーティン・ウェスト Martin West
演奏:サンフランシスコ・バレエ管弦楽団 San Francisco Ballet Orchestra
キャスト
ドロッセルマイヤー叔父さん:ダミアン・スミス Damian Smith
クララ:エリザベス・パウェル Elizabeth Powell
くるみ割り人形 / 王子:ダヴィット・カラペティアン Davit Karapetyan
雪の女王:ヤンヤン・タン Yuan Yuan Tan
雪の王様:ピエール=フランソワ・ヴィラノバ Pierre-Francois Vilanoba
金平糖の精:ヴァネッサ・ザホリアン Vanessa Zahorian
Grand Pas Ballerina:マリア・コチェトコワ Maria Kochetkova
感想
アメリカ最古のプロフェッショナル・バレエ・カンパニー、サンフランシスコ・バレエの「くるみ割り人形」の舞台は20世紀初頭のアメリカ上流階級の家庭で2幕のお菓子の国は1915年のサンフランシスコ万博がモチーフという事ですから、カンパニーの創立(1933年)より少しだけ前のお話、という事になるでしょうか。
叔父であるドロッセルマイヤーが可愛いクララに素敵な夢を見させてあげるというような趣向で、不幸だったり不快だったりメランコリーの要素がない、本当に砂糖菓子のように甘い「くるみ割り人形」です。ドラマ性ではなく、1915年のサンフランシスコを舞台にした「くるみ割り人形」というコンセプトが最重要なのでしょう。
このプロダクションはクララはバレエ学校の生徒(だと思われる)で、金平糖の精ヴァネッサ・ザホリアンは夢のパヴィリオンの女王(かな?)として花のワルツのリードを踊ります。で、最後のグラン・パ・ド・ドゥは、クララが1幕パーティでもらったバレリーナのお人形に変身して王子と踊る、ということでコチェコトヴァに入れ替わります。それに加えてヤンヤン・タンが雪の女王として君臨する訳ですから、プリンシパルの層が厚いサンフランシスコ・バレエならでは、といえるもの。
1幕のヴィクトリアン・スタイルの邸宅と衣装もとても素敵だし、雪の王国の背景は詩的。だんだん激しくなる雪は圧巻ですね。ヤンヤン・タンとピエール=フランソワ・ヴィラノバのお顔にいっぱい張り付いてしまったのはお気の毒ですが...サンフランシスコではめったにお目にかかれない雪がガンガン降り積もるのですから、これこそ幻想的と感じられるのでは。2幕のパヴィリオン内部を思わせる背景も素敵です。衣装はどれも本当に細かいところまで手の混んだ仕事がしてあって、ため息が出そうです。特に金平糖の精のチュチュの繊細さったら!
個人的な好みからすれば、ゴールドを多用したグラン・パ・ド・ドゥと花の精たちの衣装は、もう少しゴールドの分量を減らした方が好みかなーとは思いますが(花ワル衣装ははピンクが刷り込まれているので)、とにかくディテールが凝ってます。カンパニーの衣装室に忍び込んで全ての衣装を至近距離からじっくり見たいわー。特典映像のマーティン・パクルディナズ(衣装)のインタビューで細部が少し見られて嬉しかったです。
ディヴェルティスマンでは、スペインに山本帆介さんがいました。アラブにはランプの精ジニーが登場し、中国は中国獅子舞(サンフランシスコにはチャイナタウンがありますものねー)、葦笛はリボンを操り、ロシアはインペリアル・イースター・エッグから登場。ジンジャーおばさん(ここではMadame du Cirque)のスカートがサーカステントになっていて、そこからクマが出てくる...本当に盛りだくさん。楽しいプロダクションです。
という事で、この美術とコンセプトは非常に気に入りました。ヘルギ・トマソンの振付については、コール・ドがあまり面白くないなーと感じたのですが(ロシア派の私の感想なので割り引いて下さいね)カメラアングルのせいもあるかもしれません。ソロやデュエットは多少テクニック面が強いものの比較的オーソドックスだと思いました。
ソリストの充実には本当に目をみはる程で、どのダンサーも見応えあり。プリンシパル大量投入という事もあって非常にレベルが高いです。ここのダンサーたちは高い技術とフォルムの美しさが共存しているのが素晴らしい。上半身の使い方も綺麗だし。雪の精や花の精などコール・ドはやっぱりちょっと物足りない部分もあるし、みんなゴツいわねと感じるんですが(笑)。それでも、とてもよいプロダクションだと思います。
この記事の更新履歴
- 2010.05.25 - Opus Arte URL変更
- 2009.12.18 - クリエイティヴ・コア→コロムビアミュージックエンタテインメントに変更
- 2009.12.09 - セブンアンドワイ→セブンネットショッピングに変更
- 2009.09.28 - Blu-ray、国内版DVD情報追記
- Newer: 「ペンダントイヴ」BATIK(2007)
- Older: 「第37回 ローザンヌ国際バレエ・コンクール」(2009)
![サンフランシスコ・バレエ団「くるみ割り人形」(全2幕) [DVD]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B002OOPHFS.09.MZZZZZZZ.jpg)
