- Created: 2009/04/21 23:30|
- Last Modified: 2009/09/15|
Le Songe / Les Ballets de Monte Carlo

振付・演出:ジャン=クリストフ・マイヨー
出演:ベルニス・コピエテルス、ガエタン・モルロッティ 他
収録:年 / 104分
録画
NHK BShiで録画。「真夏の夜の夢」をマイヨー流に料理した作品で、日本公演で上演された事もありますが、これは映像用にスタジオ収録されたもの。
クレジット
振付・演出:ジャン=クリストフ・マイヨー Jean-Christophe Maillot
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン Felix Mendelssohn / ダニエル・テルッジ Daniel Teruggi / ベルトラン・マイヨー Bertrand Maillot
美術:エルネスト・ピニョン・エルネスト Ernest Pignon-Ernest
衣装:フィリップ・ギヨテル Philippe Guillotel
照明:ドミニク・ドゥリヨ Dominique Drillot
音源:「夏の夜の夢」の音楽 作品61から
- 指揮:フィリップ・ヘレヴェヘ Philippe Herreweghe
- 合唱:シャペル・ロワイヤル合唱団 Chapel Royal Choir
- 管弦楽:シャンゼリゼ管弦楽団 Orchestre des Champs-Elysees
キャスト
妖精の女王ティターニア:ベルニス・コピエテルス Bernice Coppieters
妖精の王オベロン:ジェローム・マルシャン Jerome Marchand
妖精パック:ジェローン・ヴェルブルジャン Jeroen Verbruggen
小姓:アンハラ・バジェステロス Anjara Ballesteros
アマゾンの女王ヒッポリータ:サラ・ジェーン・メドレー Sarah Jane Medley
アテネ公爵シーシアス:ジャンス・ウェーバー Jens Weber
ハーミアの父 イージアス:シリル・ブレアン Cyril Breant
ヘレナ:エイプリル・バール April Ball
ハーミア:ナタリー・ヌードヴィスト Nathalie Nordquist
ディミトリアス:アシエ・ウリアゼレカ Asier Uriazereka
ライサンダー:ジュリアン・バンシオン Julien Bancillon
大工 クインス:ジョイア・マサラ Gioia Masala
機織り ボトム:ガエタン・モルロッティ Gaetan Morlotti
ふいご屋 フルート:オリヴィエ・ルセア Olivier Lucea
金物屋 スナウト:クリス・ローラント Chris Roelandt
指し物師: スナッグラモン・ゴメス・レイス Ramon Gomes Reis
仕立て屋 スターヴリング:ルドルフ・ルーカス Rodolphe Lucas
感想
来日公演で見られなかったので、スタジオ用アレンジが入っている(たぶん)とはいえ、見られたのが嬉しかったです。エンドクレジットがNHK独自のものだけだったので、収録年などは判らず。これもそのうちDVD化されるのでしょうか。
このマイヨー版「真夏の夜の夢」はマイヨーの他の作品同様にエルネスト・ピニョン・エルネストのシンプルで効果的な美術とフィリップ・ギヨテルの目にひっかかる衣装とがとても特徴的。
全編を見てまず驚いたのは、筋の上ではほとんどシェイクスピアの原作通りにバレエを仕立てていた事。もちろんマイヨーらしい味付を施してあって、おバカな所はより滑稽に、お色気はよりドギツく入念に(笑)、まるでマイヨーが用意した拡大鏡でシェイクスピアをのぞき見たような印象を受けました。メンデルスゾーン(for 恋人たち)の他にダニエル・テルッジ(for 妖精)と振付家の兄であるベルトラン・マイヨー(for 職人たち)の音楽を使い分け、衣装も振付の種類もそれぞれに変えて、視覚と聴覚で入り乱れる3つの世界を交通整理。
冒頭、美術館らしき場所に古代の彫像のように立つ3組の恋人たち。衣装や髪型も彫像をイメージさせるもので、この作品の中では旧弊な世界、古い価値観で固められた存在を象徴しているのかもしれません。それでも...恋人たちの諍いはいつの世も変わらない。ましてや妖精にちょっかい出されてこんがらがった赤い糸...こういう男女の心の動きを描かせたら、マイヨーは本当に上手いです。2人の間の空気の微妙な振動までも振付の意図よね、と思ってしまう。音楽もメンデルスゾーンだし彼の作品としてはクラシックの要素が多い動きも目に心地よい。
妖精たちの動物的と言っていい程に本能に忠実な様はセクシーすぎて私には胃もたれしそうな感じではあるのですが(笑)、でも結局妖精ってそういう(自我に忠実な)存在なのかもねーと妙に納得してしまいました。セグウェイを惚れ薬の花に仕立ててパックが気持ちよさそーに操縦するのも暗喩的だし悪趣味すれすれと感じるところもけっこうあるのですが、コピエテルスという女王が君臨する世界なら、一筋縄じゃいかないわよね、と。
職人たちの道化的な存在も、セリフをしゃべらせたりしながらコミカルな動作で表現。ここにクリス・ローラントが配されているのは無駄遣いな気がしてなりませんが...あの金槌のようなヘッドピースが似合うってのもスゴイかも。そう、この職人さんたちは職業が一目瞭然の衣装であるとかヘッドピースをつけているのです。最後に王たちに見せる寸劇が救いようのない位につまらないのも原作通り(笑)。
なお、ハーミア役のナタリー・ヌードヴィストはスウェーデン・ロイヤル・バレエから移籍したダンサーで、彼女が主演の「白鳥の湖」がDVD化されています(「白鳥の湖」スウェーデン・ロイヤル・バレエ(2002))。
- Newer: 「椿姫」パリ・オペラ座バレエ(2008)
- Older: 「ベジャール・ガラ ハイライト」東京バレエ団(2009)