Le Sacre du Printemps / Leipzig Ballet

Le Sacre Du Printemps (Ws Dol) [DVD] [Import]

振付:ウヴェ・ショルツ
出演:ジョヴァンニ・ディ・パルマ、木村規予香 他
収録:2003年2月 ライプツィヒ歌劇場 / 本編74分+特典91分

画像リンク先:amazon.co.jp 海外版 DVD

2004年に亡くなったウヴェ・ショルツ。この作品は2003年に振付/上演されたもので、彼の振付作品としては最後から2番目につくられたものだと思います。このDVDにはピアノ版とオケ版両方に振りつけられたものと、ショルツのドキュメンタリーが収録されています。


商品情報

特典映像:「ソウルスケイプ〜振付師ウヴェ・ショルツ」

海外|DVD(Euroarts:2055728) Release: 2009/01/12

FORMAT:NTSC / REGION:0

クレジット

振付
ウヴェ・ショルツ Uwe Scholz
音楽
イーゴリ・ストラヴィンスキー Igor Stravinsky
美術
Dieter Mildenberger
衣装
Eva Miblits

収録

Part 1 : Le Sacre du Printemps (Four-hand Piano Version)

Piano: Wolfgang Manz / Rolf Plagge
ソリスト:ジョヴァンニ・ディ・パルマ Giovanni Di Palma


Part 2 : Le Sacre du Printemps (Orchestra Version)

指揮:ヘンリク・シェーファー Henrik Schaefer
演奏:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester Leipzig

ソリスト:木村規予香 Kiyoko Kimura

感想

このDVDには2つの「春の祭典」(ピアノ版とオーケストラ版)、それとショルツのドキュメンタリーが収録されています。ウーヴェ・ショルツの振付作品を日本で見る機会はほとんどなくて、「大ミサ曲」DVDや「マイ・ベスト・セレクション」で木村規予香さんが踊っている作品を見ると”音楽の視覚化”に長けた方だと思います。「大ミサ曲」は本当に美しい作品。

「春の祭典」は、ストラヴィンスキーの音楽のなせる技なのでしょうか、ピアノ版/オケ版とも恐怖、絶望などの感情や本能がむき出しで、見ている私まで翻弄されてしまい、ぐったりします。特にピアノ版は...舞台の上にいるのは2人のピアノ奏者とダンサーのジョヴァンニ・ディ・パルマだけ。舞台の三方の壁に大きく映し出された映像が彼に絶えず影響を与えます(この映像には木村規予香さんなども登場)。ダンサーの孤独と絶望とを描いているようなのですが、私には振付家本人がオーバーラップしました(ショルツの事はほとんど全く知らないのに)。...なかなかにえげつない映像も登場しますので、嫌悪感を抱く方もいらっしゃるかと。

オケ版の作品は商品画像にも使われています。こちらは木村規予香さんが生け贄の乙女役。といってもこのショルツ版、彼女が生け贄になるのは神ではなく人間の本能や暴力性に対して、のように見えます。もう10回くらいは繰り返し見ているのですが、現時点では私には消化できない固まりがあって...しばらく後に再見して、もう一度受け取りたいなと思います。嫌いかというとそうではなくて、いろいろ腑に落ちないというか、すとんと受け取れない。

この作品には大石麻衣子さん、横関雄一郎さんを含む56人のダンサーが出演しているのですが、カンパニー本体に加えてバレエ学校の生徒たちも登場しています。その全てにストラヴィンスキーのリズムがしみ込むにはもう少し時間が必要だったのか、バッハやブルックナーほど音楽を見ている感じがしないところもありました。


さて...このDVDの目玉は、実はボーナストラックのウヴェ・ショルツのドキュメンタリー「Soulscapes」ではないかと思います。日本語字幕はありませんが、EN/FR/DEと字幕が選べます。冷たい雨の中執り行われたショルツの葬儀の場面から始まるこのドキュメンタリー。その中にはもちろん木村規予香さんの姿もありますし、ショルツのお母様の隣にはマリシア・ハイデの姿もあります。

生前の彼が「春の祭典」を制作中の映像もあるので、元々は作品のメイキング兼ショルツのドキュメンタリーとして制作していたのかもしれません。作品の理解の手助けになります。過去の作品についても断片が収録されていて、そこから彼の音楽性の豊かさが驚くほどくっきりと伝わってもきます。

お母様、お兄様といった身内のインタビュー、木村さん、クリストフ・ボーム、ジョヴァンニ・ディ・パルマといったショルツの信頼厚きダンサーたちに加えてウラジーミル・マラーホフの証言も収録されています。彼らのコメントは今まで見たどんなドキュメンタリーより故人を想う気持ちに溢れた(といっても不必要に感情的ではなく、おだやかな)もので、その事自体にも深く感銘を受けました。

そして...ウヴェ・ショルツという人はなんて不器用に人生を渡っていったんだろう、という印象を受けます。自らの作品に決して満足する事がないというのはどんな芸術家でも当てはまる事でしょうけれど、ショルツのそれはたぶん度を超していて。あまりにナイーヴで自分の殻に閉じこもってしまうように見えたり、自分をジョークにするように(ある意味 道化っぽさも伺える)ダンサーたちに接したり。きっと人によってショルツに対する印象というのは全く違ったのだろうと思います。たぶんショルツ自身が自分とどうつきあってよいのかわからなかったのかも、とすら思えてくるのです。

このドキュメンタリーの為だけにでも、このDVDは価値があると私は思います。それに、ショルツの主要な作品群の抜粋も少しですがドキュメンタリーで見る事ができます。心から、出会えてよかったDVDだと感じています。


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
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  • 2011.05.29 - Euroarts URL変更
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