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「犠牲の先に夢がある 〜ロシア国立ペルミバレエ学校〜オクサーナ・スコリク」(2008)

A Beautiful Tragety

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出演:オクサーナ・スコリク 他
製作:ノルウェー 2008年 / 49分

録画

「BS世界のドキュメンタリー」<シリーズ 現代社会と子供たち>で放映されたもの。ノルウェー製作で、制作会社のウェブショップでDVDが販売されているようです。あちらでテレビ用に製作されたものは52分という事なのですが、NHKで放映された際はもう少し短くなっています。

クレジット

プロデューサー:ダグ・ホーエル Dag Hoel
ディレクター/撮影:デイヴィッド・キンセラ David Kinsella
編集:セルバン・ジョージェスク Serban Georgescu
製作:ファクション・フィルム Faction Film

日本語版
オクサナ・スコリク Oksana Skorik:清水理沙
製作統括:林 由香里

感想

心にズシンと重くのしかかるドキュメンタリーでした。バレエ学校やバレエ学校の生徒を扱ったドキュメンタリーはいろいろありますが(といっても、見ていない物も多数)、ここに登場するペルミ・バレエ学校の15歳当時のオクサナ・スコリクは誰よりも痛々しく見えます。

5歳の時に親の住むハリコフを離れてペルミのバレエ学校に入学した彼女は、この時点でもう10年も寮生活を続けていて、長期休暇の時にしか親元に帰る事ができません。過酷な練習やクラスの他の生徒たちからの孤立など、15歳の彼女を取り囲む現実はハードで、そんな彼女の独白には本当に胸が痛くなります(独白部分のみ吹替え)。様々なプレッシャーから拒食症となり多感な頃を自らの孤独と向き合って懸命に生きたスコリクは、17歳で卒業する頃には自己を確立し、「こういう経験をできた自分は世界一幸せだ」と自信を持ってバレエ学校を卒業。現在はマリインスキー劇場に就職して踊っています。

強烈に印象に残るのは、バレエ学校の年配の先生方が生徒を指導する際の厳しい口調。生徒たちへの愛情に裏付けされた言葉ではあるのでしょうが、字幕で見ると「これでは生徒たちが精神的に追いつめられてしまうのでは」と心配になります。しかし、ペルミ・バレエで現役として踊るナタリア・モイセーエワの言葉がそんな先生方の厳しい言葉を裏付けます。「この職業は、自身に対する要求が厳しいので他人に対しても同じように厳しい要求をしてしまう」と。

モイセーエワ自身がバレエ学校時代には胸の大きさと余分な体重に悩まされていたとの事で、そういう苦しみを知る若き現役ダンサーによるバレエ学校の生徒たちへの指導は、厳しくも暖かい。彼女の指導はこれからバレエダンサーを職業として生きる生徒たちにとって大きな導きとなる事でしょう。

残念ながら、このドキュメンタリーでは彼女がどうやって深い闇から抜け出したのかについては触れられていません。2年の時を経て再びカメラがスコリクを捉えた時、彼女は自信に満ち、体つきもしっかりしていました。その事を心から喜ぶとともに、バレエという美しい芸術の礎が、いかに厳しく長い自己鍛錬を求めるかを改めて痛感させられるドキュメンタリーでした。

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/081020.html
http://www.factionfilm.no/?cat=released&id=19

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