Cendrillon / Les Ballets de Monte-Carlo

Cinderella (2pc) (Ws Sub Ac3 Dol Dts)

振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
主演:ベルニス・コピエテルス/クリス・ローラント/オーレリア・シェフェール
収録:2007年 / 101分+特典映像

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

映像作品として製作収録されたものなので、来日公演で見た実際の舞台とは違うところがいくつかありました。衣装が変わった役もあるし、劇中劇の人形たちのように舞台では儀典長とマネキンが踊っていたものを別のダンサーが担当するというような変更も。

2008年6月にDgからDVDが発売となります。


商品情報

特典映像:メイキング/コピエテルス インタビュー(特典字幕:英/独/西/中)

海外|DVD(Deutsche Grammophon:0734410) Release: 2008/07/08

FORMAT:NTSC / REGION:0

クレジット

振付・演出
ジャン=クリストフ・マイヨー Jean-Christophe Maillot
音楽
セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
美術
エルネスト・ピニョン=エルネスト Ernest Pignon-Ernest
衣装
ジェローム・カプラン Jerome Kaplan
照明
ドミニク・ドゥリヨ Dominique Drillot

キャスト

仙女(シンデレラの亡き母)
ベルニス・コピエテルス Bernice Coppieters
クリス・ローラント Chris Roelandt
シンデレラ
オーレリア・シェフェール Aurelia Schaefer
王子
フランチェスコ・ナッパ Francesco Nappa
継母
ジョイア・マサラ Gioia Masala
2人の姉妹
アガリー・ヴァンダム Agalie Vandamme
フランチェスカ・ドルチ Francesca Dolci
儀典長
ガエタン・モルロッティ Gaetan Morlotti
ジェローム・マルシャン Jerome Marchand
4人の友人
オリヴィエ・ルセア Olivier Lucea
ロドルフ・ルカス Rodolphe Lucas
ラモン・ゴメス・レイス Ramon Gomez Reis
ジュリアン・バンシヨン Julien Bancillon

感想

NHKでも放映されていますが、DVDでも見ました。まず本編についてですが、上のコメントにも書いた通り、映像作品として製作収録されたものなので、舞台バージョンとは多少異なっています。

マイヨー版「シンデレラ」は、シンデレラと王子のラブストーリーだけでなく、シンデレラの父と亡くなった母の愛情も描いているところが特色です。シンデレラの亡き母を仙女として仕立て上げ、ベルニス・コピエテルスを配した事で、この仙女が物語を動かす役どころとして君臨するのです。それと同時に、愛する人を失った父の心情にもスポットが当たるので、ただのハッピーエンドではない余韻が残ります。

私にとってこのマイヨー版「シンデレラ」はシンデレラの父の話です。もちろんこのストーリーはシンデレラが虐げられながらも仙女の協力で舞踏会に行き、王子と恋におち、、、という普遍的なシンデレラの話がメインなんですが、どうしても私はローラント@父に感情移入してしまう。

シンデレラの母と父には3回、大きなパ・ド・ドゥがあります。1つめは冒頭の愛し合う男女の幸せなパ・ド・ドゥで、その最後に母が絶命。2つめは舞踏会に付き添ってきた父と仙女として登場した母のパ・ド・ドゥ。そして最後に、もう1度生前の姿で父の前に現れて再会を歓び愛情を確認し合うパ・ド・ドゥ。この最後に再び、母は父の腕の中で死を迎えるのです。愛する人が腕の中で死んでしまうのを2度経験しなければならない父に泣けて仕方ありません...

コピエテルスは「母」としてはひたすら美しく、「仙女」としてはひたすらパワフルに怪演。ローラントの演じる父も、見ている側を自然に感情移入させてくれます。ゴッホみたいな髭も新鮮。シェフェールのシンデレラは言う事なしの美脚で、さすがの当たり役。王子役のフランチェスコ・ナッパはひたすら濃いぃ〜です。


特典映像の2つも見応えあり。
メイキングはプロダクションの出来上がる過程を追っています。映像化のための演出ではなく、初演の時のメイキングではないかと。マイヨーはとても高いテンションでダンサーたちを鼓舞しながら振付けていくのですね。コピエテルスやローラント、ガエタン・モルロッティといった彼と長年一緒にいるダンサーたちは、マイヨーが1つ指示するとそれを更に膨らませて見せる事ができ、そういうダンサーこそがマイヨーにとっての宝なのだとわかります。

また、あのユニークなヘッドピースや衣装の製作過程、ピニョン=エルネストの装置を生み出すイマジネーションなど本当に興味深く見る事ができました。それにあのモンテカルロ・バレエのスタジオの空間の快適そうな事!太陽の光が降り注ぎ、天井が高く、ここを拠点にするダンサーたちが心底羨ましいです。座り心地のよさそうなソファがたくさん置いてある共有スペースなどを見ると、やっぱり好きなカンパニーというのはこういう部分にも共感するものなのねー、と。

1つびっくりしたのはマイヨーもベルニスもセットや衣装のすぐ近くでタバコをガンガン吸っていたこと。ひゃー、見てて怖いよー。


もう1つの特典はベルニス・コピエテルスのドキュメンタリー。彼女自身のインタビューはなく、踊っているところとイメージ映像とのコラージュ。そしてマイヨーやピニョン=エルネスト、それに周囲のダンサーたちによるインタビューからコピエテルス像が浮き彫りになります。彼女の肉体と踊りはとても能弁ですから、言葉は必要ないかもですが、、、できれば彼女自身のコメントも少しはあると嬉しかったかな。

興味深かったのは、「目には目を(Oeil pour Oeil)」の映像がたくさん挿入されていた事。これ、一度でいいから生で見てみたいなー。暴力的なシーンが多いようにも見えましたが、すごく面白そう。他に見た事ないものではシディ・ラルビ・シェルカウイが振り付けた「In Memoriam」ももっと長い時間見たかったです。シェルカウイはインタビューでも長々とお話していましたよー。

そして、コピエテルスがベジャールの「ボレロ」をリハーサルするところも収録されています。生前のベジャールさんとエリザベット・ロスが彼女を指導するところも入っていて、うるっときました。リハだけでまだ振りを身体に入れているところだったので、リズムと踊る完成形から受ける印象は違うかもしれませんが、見た事のないタイプのメロディでした。面白かったのは、ボレロの振付を図解したプリントを彼女が見ていた事。うわー、それ欲しい(笑)。

ベルニスのドキュメンタリーに登場した作品は、「Oeil pour Oeil」「Cinderella」「Romeo and Juliet」「Miniatures」「In Memoriam」と、「Borelo」「Le Songe」のリハ、だそうです(エンドクレジットより)。


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2014.03.08 - リンクメンテナンス
  • 2008.08.25 - 感想追加
  • 2008.04.26 - 独グラモフォン新発売情報(2008.6)初出