- 2007/05/06 13:31|
- Category: NHK|

放映:2007年 4月24日/NHK/45分
出演:吉田都/キャスター:茂木健一郎,住吉美紀
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070424/index.html
録画
コメント
「自分を信じる強さを持て〜バレリーナ・吉田都〜」
前半がロイヤル・バレエでの「ラプソディ」本番まで、後半がKバレエ「白鳥の湖」本番まで。プロフェッショナルとは「闘い続けられること、言い訳をせず闘い続けられること」という都さんの言葉は、経験に裏打ちされた強さを感じます。
前半がロイヤル・バレエでの「ラプソディ」本番まで。パートナーはホセ・マルティン(Jose Martin)。2005年の来日公演では「シンデレラ」道化とか「マノン」ベガーチーフなどを踊っていたダンサーです。「ラプソディ」みたいに超絶技巧を繰り出す演目にはぴったりなダンサーと言えますが、都さんとのパートナーシップはなかなかの難産だったようです。
番組では『ミリ単位の踊りにこだわる』と言われていましたが、リフトの手の位置にしてもちょっと違うだけで女性ダンサーへの負担も相当なものになるそうです。都さんは腰に不安を抱えていますし、「ラプソディ」ならば尚更、リフトから降りる位置や向きがどれほど大切か。
若いダンサーにはその細かいこだわりが途方もないリクエストのように感じるかもしれませんが(ホセ・マルティンも『どうしたらいいのか...』と困っていたし、以前のドキュメンタリーでもプリンシパル昇格前のエドワード・ワトソンも自信喪失する程困っていた)、本来男性ダンサーのサポートとはそうあるべきものなのでしょうね。彼らのリハを見つめる若手たちの中に、ABTから移籍したエリック・アンダーウッドがいたように思います。楽屋では都さんと部屋を共有するバッセルとの会話も。2人の穏やかな関係が伝わってきてよい感じでした。
また、今回の舞台のために用意したポワントが全て合わないというアクシデントも。カンパニーのストックから合いそうな一足を持ってきて踊ってみたもののやはり合わず、リハを中止したとのこと。都さんの歌うようなポワントワークは合うシューズがあってこそ。結果的にはなんとか手を加えて踊れるところまで持っていったみたいですが、最高のコンディションで踊ることは本当に難しいことですね。自分の身体だけでなくポワントのコンディションがとても大きく影響する訳ですから。
後半がKバレエでの「白鳥」本番まで。こちらは輪島拓也さんがお相手にキャスティングされていたものの、稽古中に脚を故障したために、急遽芳賀望さんに変更。9日間で仕上げたそうです。
こちらでは特に2幕のドラマに焦点があてられます。Kバレエの白鳥ではオデットが王子にマイムで我が身の境遇を語るシーンがあるのですが、芳賀さんの演技が先走ってしまう。ロットバルト役のスチュワート・キャシディが「オデットの話を聞くんだ」と指導する場面も。都さんは、「こうした方がよくなるのにな」と思っても敢えて指摘はせずに本人が見つけるのを待つのだそう。自分で見つけて身につけるものだから、と。だから2人で話し合うのはステップなど技術的なことだけ。こちらでも、スタジオの外から2人のリハを食い入るように見つめるダンサーたちの姿が印象的でした。
若いパートナーと一緒に作品を作り上げていくのは、都さんはもう慣れてしまったかもしれませんが、見ているこちらとしては少々複雑な気持ちも。残り少ないであろう彼女の舞台生活であるからこそ、ふさわしいパートナーと共に快適に踊り表現を追求してほしいと思ってしまうんですよね...もちろん、番組内で熊川さんが言っていたように、若いダンサーへの指導を期待するキャスティングというのもわかるのですが。芳賀さんに関しては、初めてジークフリードにキャスティングされた時に放映されたドキュメンタリーも見ましたが、その頃から比べると格段に進歩していると思っていますけどね。
映像に挟まれたスタジオでのトークでは「ポワントにリボンを縫いつけるのにデンタルフロスを使っている」とも。縫いやすくて丈夫だから安心なのだそうです。
ローザンヌでの映像以外は、ほとんどこの番組の為に撮影された映像だったように思います。見られなかった都さんのオデットとオディールが少しながら見られたのは嬉しい事でした。そうそう、ご主人(遠藤貴さん)まで出てくると思わなかったですよねぇ。