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「白鳥の湖」パリ・オペラ座バレエ(2006)

  • Posted by: ゆう
  • 2007/03/06 17:30|
  • Category: 白鳥の湖

Swan Lake(Le Lac des Cygnes) / Paris Opera Ballet(Ballet de l'Opera de Paris)

パリ・オペラ座バレエ団 白鳥の湖(全4幕)

振付:ルドルフ・ヌレエフ
主演:アニエス・ルテステュ/ジョゼ・マルティネズ
収録:2005年12月20日 パリ・オペラ座 バスティーユ / 145分(本編141分+特典4分)

画像リンク先:amazon.co.jp

コメント

ヌレエフ版は王子と家庭教師の関係に光を当てて、オデットは王子の夢の中の美の象徴として描かれています。カール・パケットの家庭教師がすばらしい。

商品情報

DVD特典映像:キャストギャラリー / シノプシス(英・仏・独・西・伊語)
* HD-DVD / Blu-ray あり

クレジット

音楽:P.I. チャイコフスキー(P.I. Tchaikovsky)
振付:ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev)
原振付:マリウス・プティパ(Marius Petipa)、レフ・イワノフ(Lev Ivanov)
装置:エツィオ・フリジェリオ(Ezio Frigerio)
衣装:フランカ・スカルシャピノ(Franca Squarciapino)
照明:ヴィニシオ・シェリ(Vinicio Cheli)
指揮:ヴェロ・パーン(Vello Pahn)
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団

キャスト

オデット / オディール:アニエス・ルテステュ(Agnes Letestu)
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネズ(Jose Martinez)
家庭教師ヴォルフガング / ロットバルト:カール・パケット(Karl Paquette)
女王:ミュリエル・アレ(Muriel Halle)
式典長:ミシェル・パステルナク
白鳥の幻:マリー=イザベル・ペラッチ(Marie-Isabelle Peracchi)
パ・ド・トロワ:ノルウェン・ダニエル(Nolwenn Daniel)、ドロテ・ジルベール(Dorothee Gilbert)、エマニュエル・ティボー(Emmanuel Thibault)
小さな白鳥たちの踊り:ドロテ・ジルベール(Dorothee Gilbert)、ミリアム・ウルド=ブラーム(Myriam Ould Braham)、ファニー・フィアット(Fanny Fiat)、マティルド・フルステー(Mathilde Froustey)
白鳥たちの踊り:エミリー・コゼット(Emilie Cozette)、ステファニー・ロンベール(Stephanie Romberg)、オーレリア・ベレ(Aurelia Bellet)、ローレンス・ラフォン(Laurence Laffon)
ハンガリー舞曲:ファニー・フィアット(Fanny Fiat)、アレッシオ・カルボネ(Alessio Carbone)
スペイン舞曲:ナタリー・オーバン(Nathalie Aubin)、ナタリー・リケ(Nathalie Rique)、クリストフ・デュケンヌ(Christophe Duquenne)、ローラン・ノヴィ(Laurent Novis)
ナポリ舞曲:ミリアム・ウルド=ブラーム(Myriam Ould Braham)、ジェレミー・ベランガール(Jeremie Belingard)

感想

ヌレエフ版は究極の「王子の物語」になっていて、王子の一番身近にいて大きな影響力を与える(そして妖しく魅力的な)家庭教師との関係がとても印象を与えます。オデットは王子の夢に登場する美の象徴として描かれているせいか、他の版から比べると印象も薄め。家庭教師 / 悪魔と王子の関係、白鳥と王子の関係ともに、観客の想像力を強く刺激し、直接的にも間接的にも伝わるものが多いです。ロットバルトの心理をもう少し踏み込んで描いていたら「ロットバルトの物語」にも成り得たでしょう。舞台全体にヌレエフの美意識がびっしり敷き込まれていて、それが悲劇のエンディングへと一気に誘うようでした。

主役の3人はそれぞれに役の解釈が深くドラマティックであったと思います。特にカール・パケットの悪の存在感が素晴らしい。3幕でのロットバルト姿にはゾクゾクしました。ただ、私の印象としてはジョゼ王子は十分成熟した大人に見えるので、この版の意図した関係からすると、パケットとジョゼは少々アンバランスに見えなくもない。どちらもすばらしく踊り / 演じているので、受け取る側の問題だと自分でも思いますけど。例えばエルヴェ・モローとパケットなんて組み合わせでも見てみたかったなーと思いました。

それにしても、ヌレエフの振付もジョゼにかかってはひたすらエレガント。あの長い手脚をぴっしりコントロールして音に乗せる姿に何度も溜め息が出ました。全盛期のヌレエフが踊ったとしても、ここまでエレガンスを見せつけることはできなかったのではないかしら。男性の見せ場が多いヌレエフ版の特徴として、1幕での王子と家庭教師のパ・ド・ドゥ、2幕グラン・アダージオに王子のヴァリが入る、3幕のグラン・パ・ド・ドゥがロットバルトを含めたパ・ド・トロワに近い形となりロットバルトのヴァリも入るなど、パケットとジョゼをたっぷり堪能できます。

それに比べてしまうと、ルテステュの印象が薄くなるのも致し方無し、というところでしょうか。白鳥のまま(娘に戻らず)登場する2幕は威厳と鳥類の鋭さを感じます。夢の中の美ということでルテステュの硬質さが生きる版かもしれませんね。3幕グラン・パ・ド・ドゥのアダージオは3人のオーラが拮抗して見応えあり。全編を通してこの場面が一番好き!

1幕からから大勢の群舞がヌレエフ特有の振付をこれでもかというほど多彩なフォーメーションでピシッと踊る底力、これはパリ・オペラ座ならではと感心しました。舞台上全てを使って大勢のダンサーがたたみかけるように踊りまくる演出は時にやりすぎに見えますが、2幕の白鳥たちのフォーメーションはそれは見事で美しく、効果的だったと思います。それを映す映像も心得ていて、上からの引きの映像を多用していました。

3幕の民族舞踊は、ロシアン白鳥が好きな私の好みからは外れています。中間色を多用した美術は舞台全体を品良くまとめていますし、この色合いこそが王子にとって"決定的に何かが足りない世界"そのものを表しているのかもしれません。だとしても、せめて民族舞踊だけはもう少しコントラストを強くしてほしかったし、振付の民族色が薄れていたのも少々もの足りませんでした。もしかしたらヌレエフはこの場面を民族舞踊にしたくなかったのかもしれませんけどね。

主役以外では、1幕パ・ド・トロワのドロテちゃんとティボーくん、3幕ナポリを踊ったミリアム・ウルド=ブラームが強い印象を残しました。花嫁候補たちの中に「スーパーバレエレッスン」のロミジュリの回でお気に入りになったロレーヌ・レヴィちゃんがいました。やっぱり目をひく「雰囲気」があるのね。

この記事の更新履歴

  • 2008.4.24 - 国内版発売情報追加(2008.6.18発売)第一弾
  • 2008.5.13 - 国内版発売情報追加(2008.6.18発売)第二弾
  • 2008.5.29 - 国内版発売情報追加(2008.6.18発売)第三弾
  • 2008.6.28 - 国内版画像追加 / ブルーレイ情報追加

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