- 2007/01/08 19:11|
- Category: 白鳥の湖|
Swan Lake / The Tokyo Ballet
振付:アレクサンドル・ゴールスキー
主演:上野水香/ジョゼ・マルティネズ
収録:2006年7月31日 東京文化会館 / 146分
画像リンク先:紀伊國屋書店 Forest Plus
コメント
世界バレエフェス全幕プロとして上演された「白鳥の湖」(上野水香/ジョゼ・マルティネズ/東京バレエ団)の映像化。
商品情報
<国内向け>DVD(新書館:DD06-1217)
フォーマット:NTSC、リージョン:2、画面サイズ:16:9、音声:DD Stereo
クレジット
音楽:ピョ−トル・チャイコフスキー(P.I. Tchaikovsky)
原振付:マリウス・プティパ(Marius Petipa)、レフ・イワノフ(Lev Ivanov)
振付:アレクサンドル・ゴールスキー(Alexander Gorsky)、イーゴリ・スミルノフ(Igor Smirnov)
美術・衣裳:ニコラ・ベノワ(Nicola Benois)
照明:高沢立生
指揮:アレクサンドル・ソトニコフ(Alexander Sotnikov)
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
キャスト
オデット / オディール:上野水香
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネス(Jose Martinez)
悪魔ロットバルト:高岸直樹
王妃:加茂律子
道化:大嶋正樹
家庭教師:飯田宗孝
パ・ド・トロワ:小出領子、長谷川智佳子、中島周
ワルツ:大島由賀子、西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、森志織、福田ゆかり、藤沼花奈、佐伯知香、川口幸恵、村上美香、吉川留衣、岸本夏末、氷室友、辰巳一政、長瀬直義、小笠原亮、宮本祐宜、横内国弘、松下裕次、田中俊太朗
貴族(1幕):坂井直子、浜野香織、山本亜弓、矢島まい、野辺誠治、山口優、中谷広貴、熊田誠
小姓:梅澤紘貴、周藤壱、谷口真幸、伊原利紀
四羽の白鳥:高村順子、長谷川智佳子、森志織、佐伯知香
三羽の白鳥:大島由賀子、高木綾、奈良春夏
白鳥たち:福田ゆかり、藤沼花奈、乾友子、寺嶋麻衣、川口幸恵、浜野香織、村上美香、山本亜弓、米山千織、佐藤瑞己、田中結子、前川美智子、吉川留衣、小泉あゆみ、許山麻有、岸本夏未、阪井麻美、矢島まい、村上華菜、渡辺理恵、河合眞里、川島麻実子、栗原美奈、前田奈美甫
司会者:飯田宗孝
チャルダッシュ(第1ソリスト):長谷川智佳子、平野玲
チャルダッシュ(第2ソリスト):森志織、福田ゆかり
ナポリ(ソリスト):佐伯知香、大嶋正樹
マズルカ(ソリスト):奈良春夏、坂井直子、中島周、野辺誠治
花嫁候補たち:小出領子、高村順子、西村真由美、乾友子、高木綾、吉川留衣
スペイン:井脇幸江、大島由賀子、木村和夫、後藤晴雄
貴族(3幕):寺嶋麻衣、矢島まい、村上華菜、渡辺理恵、川島麻実子、栗原美奈
ラッパ卒:梅澤紘貴、周藤壱、谷口真幸、熊田誠
感想
上野水香の相手役は元々はアンドレイ・ウヴァーロフがキャスティングされていたものの怪我のために来日できず、ジョゼ・マルティネスと踊ることに。
えーと、マリインスキー好きでしかもマリインスキーの白鳥をたっぷり堪能したあとのこの時期、そうでなくとも「白鳥の湖」というのは厳格なクラシックでストライクゾーンが狭い作品なので、この映像はコメントを書くのにいささか分が悪いと言えます。見る機会は少ないものの東京バレエ団は好きなダンサーがたくさんいるお気に入りのカンパニーの1つなので、映像になることはとても嬉しいのですけれど。
オープニング、東バのダンサーたちの中にいるジョゼはまるで異国の人でした。あまりにプロポーションが違いすぎる。しかし見ようによっては、それがジークフリートの孤独であるとか「王という唯一無二の存在になるべき人」という異質さを表しているようにも見えます。普段踊っているヌレエフ版のジークフリートとは全く違うキャラであるこの役を、彼は入念な準備によって見事に表現していました。特典のインタビューによると、来日して最初の稽古の時には東バのバージョンの振りを完璧に覚えていたそうです。何と素晴らしい人でしょう。
美しく完璧な踊りも見事でしたが、加えてその役の造形が見事でした。特に印象的だったのは3幕の最後、騙されたと知ったジークフリートの表情です。呆然と座り込み、母に訴え、そして「ああ、オデットに謝らなければ!」と駆け出していく。この場面は幕の最後で曲も慌ただしい中、本当に上手く配分して演じないとどこか尻切れトンボになってしまうと思うのですが、ジョゼの演技は少しも慌ただしさを感じさせず、しかも心の流れが手に取るように判る。彼の演技派の一面はこの場面だけではなく「ジークフリートは受け身の形で物語が展開していく」ハズのこの版の至るところで、本当に見事に表現されていました。
上野水香については、彼女のどこに着目するかで全く評価が分かれることでしょうね。私にとっては好みから外れる白鳥 / 黒鳥でした。このこの演目に関しては技術的なことよりも叙情性であるとかアームスの美しい動きを愛する私(なんたってマリイン好きーだから)には、物足りなさがありました。つまり「私の白鳥」ではなかった、というだけのこと。彼女の演技でよいなと思ったところは、2幕のグラン・アダージオで1度王子の手を振りほどいて背中を向けて歩き去ったあと、「やはりあの方から去る事は出来ない」という感じでふり返るところ。細かいですが(笑)、とても素直な女性らしい表情で好感が持てました。
ソリスト陣では小出領子、長谷川智佳子、中島周のパ・ド・トロワ、大嶋正樹の道化、チームスペイン井脇幸江、大島由賀子、木村和夫、後藤晴雄が映像に残ったことをとても嬉しく思います。特にスペインは大島さんが退団した今、もうこの並びは今後見られない訳で、、、鼻の奥が少しツンとしましたよ。淋しいな。私の東バ白鳥楽しみポイントの1つである、3幕で「騙された王子をあざ笑うチームスペインの図」で井脇さんの嘲笑が高岸ロットバルトの影に隠れて見えなかったのは非常に残念ですが(笑)、そのかわり大島さんがあざ笑うところが映っていたのでよしとします。東バの3幕民族舞踊は、スペイン以外は少々不満で、もう少しピシっと決めてほしいところ。
東バの白鳥たちのフォーメーションもこうして映像になると、とても美しいと思いました。あの群舞の振付は、日本人のプロポーションと特質で美しく見えるように工夫されているんですね。もっと白鳥群舞が映えるようなカメラアングルを多用してくれるとよかったのに、と少し残念。クレジットについては、エンディングロールに流れたものを全て書き出しました。けっこう細かいところまで記載されているのに、3幕のディヴェルティスマンがソリストしか書いていないのは、ちょっとかわいそう。そこまで記載するなら、もう全部の配役を書いてくれちゃえばよかったのにね(笑)。
- Newer: 歌劇「修道院での婚約」キーロフ歌劇場(1998)
- Older: 「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート 2007」
