The Firebird, Petrushka / The Kirov Ballet

Firebird Ballet in One Act (Dol Dts)

振付:ボリス・エイフマン、オレグ・ヴィノグラードフ
出演:ガブリエラ・コムレワ、ヴァディム・ブダーリン(火の鳥)、アンドリス・リエパ(ペトルーシュカ)
収録:火の鳥=1977年、ペトルーシュカ=1990年 / 45分+41分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

ImmortalのDVDはリージョンフリーなので普通に見られます。年代も振付家も違いますが、キーロフによるストラヴィンスキー音楽のバレエ作品集。


商品情報

海外|DVD(Immortal) Release: 2006/05/30

FORMAT:NTSC / REGION:0

収録

「火の鳥」 The Firebird, 1977

音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー Igor Stravinsky
振付:ボリス・エイフマン Boris Eifman
指揮:ヴィクトール・フェドートフ Victor Fedotov
演奏:キーロフ管弦楽団 Kirov Orchestra

火の鳥:ガブリエラ・コムレワ Gabriella Komleva
イワン・ツザレヴィチ:ヴァジム・ブダーリン Vadim Budarin
カスチェイ:Arkadiy Ivanenko


「ペトルーシュカ」 Petrouchka, 1990

音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー Igor Stravinsky
振付:オレグ・ヴィノグラードフ Oleg Vinogradov
美術:イリーナ・プレス IIrina Press / ヴャチェスラフ・オークネフ Vyatcheslav Okunev
指揮:レナート・サラヴァトフ Renat Salavatov
演奏:キーロフ管弦楽団 Kirov Orchestra

ペトルーシュカ:アンドリス・リエパ Andris Liepa

感想

「火の鳥」は当時のロシア製フィルムらしい質感と手法による映像です(スタジオ撮影)。エイフマンの振付は、カスチェイの踊りやイワンと火の鳥(人間の時を含む)のパ・ド・ドゥが非常にユニーク。リフトやサポートがアクロバティック(というか、そのもの?)で目が奪われました。

他の「火の鳥」とは少々ストーリーが違っていました。簡単に粗筋を書くと『火の鳥は、カスチェイの魔法により王女が変えられた姿。魔王の元を逃げ出した火の鳥がイワンのキスで人間の姿に戻り(眠りと白鳥が混じってる?笑)恋におちるが、カスチェイがイワンと友人たちを捕らえてしまう。王女が魔王に彼らを助けるよう頼むと、カスチェイは彼女をもう1度火の鳥の姿に変えてイワンたちを解き放つ。火の鳥は魔王を焼き殺してしまうが、もう人間の姿には戻れない。再会を喜ぶ友人たちの中、イワンは王女を探すが彼女はいない。彼女の思い出だけが心に残る。』というものでした。ハッピーエンドと言い切れない結末のせいか、曲のよさが生かされていないと感じました。

「ペトルーシュカ」はステージを使った撮影のようですが、観客が入っているかどうかは不明。90年の映像の割には画質は相当悪いです。無理に輝度をあげているので、白や明るい色は目が痛くなりそうです。カメラワークもよくありません。

「キーロフ・クラシックス」に収録されているヴィハレフによる「ペトルーシュカ」と同じ作品。こちらもオリジナルとは少々ストーリーが変わっています。暴君(=ムーア人)と民衆(=ペトルーシュカと他の人形たち)、という風に置き換えられていて、支配側は兵隊やや政治家といった感じ。民意の象徴としてのペトルーシュカは支配側に何度も捕らえられるのですが、その度に誰かがマスク(=命)を差し出してペトルーシュカに与えるので民意は死にません。アイディアはとてもよいと思いました。

が、美術や振付、構成はどうも感心できず。もっというと、上記のアイディアを具現化するなら「ペトルーシュカ」でなくてもよかったのでは、と。「Return of Firebird」でのアンドリスのペトルーシュカは哀愁の表現がとてもよかったので期待していたのですが、この演出では彼の持ち味は出し切れないように思ってしまいました。大熱演ではありましたけどね。

支配側の衣装やマスクを見て、「緑のテーブル」を思い出しました。だからこそ、解説にない「暴君」と「民衆」という対比が私にもわかったとは言えますが。


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え